◆ 焼却炉をアルミで作った |
今は、野焼きはだめだ、自宅での紙の焼却すらいけないといっているが、
それ以前は、多くの市町村は補助金を出して家庭用の焼却炉の購入を推奨していた。
それが、平成14年12月から180度の政策の転換である。環境破壊になるので全ての家庭での焼却はダメと言うではないか。
当時、我が家でもゴミを減らそうと思い焼却炉をアルミで作った。
一作目は、失敗に終わった。
それはなぜかと言うと焼却炉の本体が燃やす熱で溶けてしまったのである。それもそのはずである。
たばこの火でも800~900度にもなるのだから、我が家で作ったアルミ2ミリの縞板は、燃える熱で使っているうちに淵の何箇所かだれてしまったのである。
そこで、中に鉄板の板を張りめぐらして焼却炉を作った。
【溶融点】
アルミ 約 660℃
鉄 板 約1,530℃
|
|
◆ アルミ製の雪つき |
昨年(平成18年)は、各地で大変な豪雪であった。私の住んでいる上田でも例年にはない大変な雪であった。それに比べ今年は、1月半ばに2度雪つきをしただけで終わってしまい雪の降らない年になってしまった。地球温暖化とは言うが、今年ほど何か顕著に現れると環境破壊のことが実感として心配になる。
ところで、今年も言われたのであるが、「雪つきをアルミで作ったらどうですか?」と言うのだ。以前から同じ事を何度か言われていた。
以前に実は、雪つきを作ったのである。ハンドラッセルタイプの雪つきであったが、結論から言うとアルミのハンドラッセルタイプの雪つきは使い物にならなかった。
市販の雪つきの肝心な雪を突く部分が壊れてしまい、捨てるにはちょっと惜しかったのでアルミの板で作り、出来ばえもなかなかであったので早速、会社の駐車場の雪つきに使ってみた。「ガタつきもなく雪を突くのもまずまず、雪をすくい上げ1,2,3・・・1,2,3・・・」なんとすくい上げた雪を投げようとしても窪みに雪がくっ付いてしまい離れないのである。
軽くて丈夫であるが、この様なアルミの雪つきは販売されていない。
アルミは低温脆性がなく熱伝導が高いのである。アルミは寒さには大変愛称のいい金属である。そのためにアルミの板に雪が付着してしまい雪が窪みから離れないのである。 |
|
◆ センサー付き三脚 |
あれから何年経つだろうか。
高度成長の真っ盛りのときで、PL法が施行(平成7年)される以前である。
PL法施行後のように「脚立の天板には立つな」「使用角度は何度」というような、注意書きを付けていない会社が多かった頃である。
リンゴ作りも企業の贈答用などに使われ出荷が盛んな時だっただけに、農家の人達も作ればよい値で売れると張り合いのあった時代である。
地方紙に載った記事だ。
A社が「技術試験場と共同開発」
その記事の内容は、農家の人達が高齢化してきて、三脚の転倒、転落事故が多く、それを未然に防ぐために三脚にセンサーを付けて、人が転倒、転落する前に三脚のセンサーが感知し「音」で教えてくれるというものであった。
「収穫が終わり一年の疲れをとる時期になると整骨院が高齢者で賑わっている」という話を聞いた後だけに、説得力があった。
だが、そのセンサーで転倒を防ぐことを作業者に教える時には、既に脚立から落ちているのではないか・・・・。
この記事のその後「センサー付きアルミ三脚」が売り出されたという話は聞かなかった。 |
◆ リベット止めのアルミ三脚 |
初回ともなると何を書こうか考えるものだ。
やはり私の原点は、この三脚を見た時から始まっているので、これを題材にした。それは『リベット止めのアルミ三脚』である。
いまから20年ほどまえ農機具店にセールスに行ったとき、店先に置いてあった三脚でメーカーが解らない。
アルミ材はもとより、溶接構造のアルミ三脚も大変高価であったころ。アルミのパイプを頼むと一本一本袋に入り油が付着し、それをウエスで拭いていたのを思い出す。そんな頃である。
そのアルミ三脚は、各パーツ単位では溶接はしてあるが、主要な箇所はパイプとパイプをリベット止めにしてあった。リベット止めであるので各部ごとに表面処理のアルマイト加工されていた。それを繋いで製品にしていたのである。
(アルマイト加工すると表面のアルマイトを取らないと溶接ができない)
このアルミ三脚がなぜ、溶接構造のアルミ三脚が出回ると普及しなかったか。
果樹農家の人達や造園業の職人さんは、春夏秋冬ほぼ一年中作業に使っている。
リベット止めのものは、使っていると溶接構造の物のようではない軋みやガタが出てしまうからである。
長年アルミ三脚に携わってきて修理等で他社の三脚を見てきたが、このアルミ三脚に出会うことは、それ以降なかった。
しかし、つい先日この三脚が修理品として持ち込まれたのである。
私にとっては、とても感動する一品である。
【接合方法】 機械的結合法 溶接法 |
|
|
|